嫌いな科目が好きになる瞬間〜私が英語を好きになったきっかけ

好きこそものの上手なれ、とはよく言ったもので、「好き」と「得意」にはある程度の相関関係があることは言うまでもありません。
苦手科目を得意科目に変えたければ、その科目を好きになることが、克服への第一歩となります。
とはいっても、いったん嫌いになってしまったものを好きになるのは並大抵のことではないのも事実。
というわけで、今日は私の経験を書きたいと思います。

私は今でこそ、人様に英語を教えたりもしていますが、実を言うと中学までは英語は大嫌いでした。
国語(日本語)はそれほど嫌いではなかったので、おそらく日本語との文法体系の違いに混乱して嫌いになったのだと思います。
会話に出てくる欧米人特有のノリが理解できなかったというのもあります。
当然、英語の成績も振るわず、ますます嫌いになっていく・・・という負の連鎖に陥っていました。
高校入試の直前に先生から「of course」の意味を聞かれて答えられず、「こんなんでは落ちるぞ!」と怒られた経験も(今は「もちろん」わかりますが)。
幸い他の科目でカバーして、高校入試は無事合格できましたが、英語嫌いは高校へ入っても変わりませんでした。

そんな私に転機が訪れたのは、高校一年生のとき。
当時夏休みを利用して、初めて家族でヨーロッパ方面へ海外旅行へ行ったのですが、そこで出会ったフランス人男性と簡単なコミュニケーションをとれたんです。
もちろん、英語が苦手な私にまともな会話ができるはずもなく、かろうじて知っている単語をつなぎあわせ、ジェスチャーも組み合わせて、なんとか言いたいことをわかってもらった状態。
今思い出してもひどい会話でしたが、フランス人という未知の相手と、英語という共通言語を通じて、少しでも自分の言いたいことが伝わったときは、素直に感動しました。

もっと話せるように、もっとわかるようになりたい。
この経験をきっかけに「嫌い」で「苦手」だった英語の勉強に真面目に取り組むように。
いきなり英語が大好きになったわけではありませんが、少なくとも嫌いだからといって放置することはなくなりました。
中学時代の教科書を引っ張り出して復習したり、単語帳をつくってコツコツ覚えたり。
コミュニケーションの機会を増やそうとESS部(English Speaking Society、要するに英語部)にも入りました。
気がつくと英語への苦手意識は消え、それと並行して科目自体も好きになっていました。

英語が好き・得意になったことはその後の大学受験や社会人生活、海外旅行へ行った際にも大いに役立ちました。
きっかけは些細なことでした。
でももしあのフランス人との出会いがなかったら、私は今でも英語を嫌いなままだったかもしれません。
そうなると、大学だって入れたかどうかわからないし、少なくとも今のように人様に英語を教えるなんて、夢のまた夢だったと思います。

もちろん、この成功体験が誰にでも適用できるわけではありません。
「コミュニケーション取れた!」→「英語がんばろう!」と私のように単純にいかない場合の方が多いと思います。
でも些細なきっかけが、「嫌い」が「好き」になり、「苦手」が「得意」になる起爆剤となることも。
日常に潜む「きっかけの種」をうまく活用して、嫌いな科目・苦手な科目を克服していってほしいな、と思います。